[注釈]
※1 Stoklosa M, Cahn Z, Liber A, et al., “Effect of IQOS introduction on cigarette sales: evidence of decline and replacement”, British Medical Journal, June 2019, https:// tobaccocontrol.bmj.com/content/early/2019/06/11/tobaccocontrol-2019-054998
※2 Cummings K, Nahhas G, Sweanor D, “What Is Accounting for the Rapid Decline in Cigarette Sales in Japan?”, Int. J. Environ. Res. Public Health, May 2020".
アメリカがん協会(ACS)の調査は何を語るのか?
日本の事例は、煙の出ない製品を提供することで、紙巻たばこの販売を大きく減少させることができることを示しています。厚生労働省の令和元年の「国民健康・栄養調査」によれば、加熱式たばこの普及は、喫煙者の4人に1人に達していることがわかっています。また、日本では複数メーカーによる加熱式たばこの発売以降、紙巻たばこの販売量の減少が加速していることが2つの独立調査で示されています。
アメリカがん協会(ACS: American Cancer Society)のStocklosa博士らが実施した研究では、加熱式たばこ導入前、紙巻たばこの販売量は毎年約1.8%減少していましたが、加熱式たばこの導入後は減少率が年9.5%に加速したことが示されています。著者らは、日本では加熱式たばこの導入により「紙巻たばこの販売量が減少したと見られる」※1と結論づけています。
日本たばこ協会およびPMIの四半期実績のデータを元にした統計学的モデルを使用した、K. Michael Cummings、Georges J. Nahhas、David Sweanor教授らによる別の調査でも同様に、「日本で紙巻たばこの販売量が2016年以降の4年間で34%も減少し、その推移と加熱式たばこの導入と拡大は一致する」と結論づけられています。※2
当然ながら喫煙者にとって最もよい選択肢は、紙巻たばこも、ニコチンも、完全にやめることです。一方で、多くの喫煙者が喫煙を継続するという現実があります。日本のような事例は、煙の出ない代替製品がいかに政府のたばこ対策の柱の一つである禁煙支援をを補足できるのかを示しています。
すべての20歳以上の喫煙者にとって
最もよいのは間違いなく、
たばこもニコチンの使用も
すべて止めることです。